書籍詳細

判例タイムズ 1403号 10月号 (2014年09月25日発売)

判例タイムズ 1403号 10月号 (2014年09月25日発売)

判例タイムズ社

論説紹介東東京地裁破産再生部における近時の免責に関する判断の実情(続)平井 直也...5京地裁労働部と東京三弁護士会の協議会 第11回...27企業間取引訴訟の…

3056円(税込)

目次

判例タイムズ 1403号 10月号 (2014年09月25日発売)

論説紹介

東東京地裁破産再生部における近時の免責に関する判断の実情(続)
平井 直也…5

京地裁労働部と東京三弁護士会の協議会 第11回…27

企業間取引訴訟の現代的展開[現代企業法研究会]
不公正な取引方法と企業間の取引訴訟 若松 亮…57

判例紹介 全18件(最高裁判例2件)
 
最高裁判例
[民法]
1(最高裁第三小法廷平26.1.14判決)…80
 認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否

[刑法]
2(最高裁第二小法廷平26.4.7決定)…88
 約款で暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨定めている銀行の担当者に暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
3(大阪地裁平25.4.19判決)…91
 身体障害者である原告に対し,自動車保有要件を満たさないことを理由としてされた生活保護廃止処分及びその後の生活保護申請に対する却下処分について,原告が上記各処分当時自動車保有要件を満たしていたとして,上記却下処分を取り消した上,上記各処分の国家賠償法上の違法性及び福祉事務所長の過失を認めて原告の国家賠償請求を一部認容した事例

[国家賠償法]
4(広島地裁平24.9.26判決)…109
 1 元産業廃棄物最終処分場への土砂の搬入行為が宅地造成等規制法2条2号に定める「宅地造成」に当たるとされた事例
 2 土砂の崩壊流出により民家が全壊し,住人1名が死亡した事故につき,東広島市長が宅地造成等規制法に基づく規制権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例
 3 土砂の崩壊流出により民家が全壊し,住人1名が死亡した事故につき,広島県知事が地方自治法に基づき東広島市に対して宅地造成等規制法に基づく規制権限を行使するように是正を求めなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法とされた事例

[地方自治法]
檜原村債権放棄議決事件判決
5(東京地裁平25.1.23判決)…123
 1 損害賠償の請求を目的とする訴訟を提起することの義務付けの訴えは,地方自治法242条の2第1項4号の請求に係る訴訟類型には該当しないとされた事例
 2 村がその雇用していた非常勤職員に対し地方自治法に違反して手当を支給したことにつき村長に過失があるとする住民訴訟の係属中にされたその請求に係る村の損害賠償請求権を放棄する旨の村議会の議決が違法であり,当該放棄が無効であるとされた事例

労働裁判例
[集団的労働関係]
6(東京地裁平24.3.30判決)…149
 1 会社更生手続下の整理解雇においても,いわゆる整理解雇法理の適用があるとされた事例
 2 整理解雇のいわゆる4要素(①人員削減の必要性,②解雇回避措置の相当性,③人選の合理性,④解雇手続の相当性)の充足性の有無ないし程度を総合考慮した上,整理解雇を有効と判断した事例

民・商事裁判例
[民法]
7(東京地裁平25.7.24判決)…184
 企業再生を目的とするアドバイザリー契約を締結した者が,契約上求められる適法かつ有効な行為を助言すべき義務に違反したとして損害賠償義務を負うとされた事例

8(東京地裁平25.1.29判決)…199
 証券会社であった原告が,被告との間で1992年版ISDAマスター契約に依拠した基本契約と5つの個別取引契約を締結して,デリバティブ取引の一種である為替予約取引及びスワップ取引を行っていたところ,原告の信用保証提供者である米国親会社が米国において倒産手続の開始を申し立てたことにより,当該取引は期限前終了条項により終了したとして,原告が被告に対し,基本契約に定める清算条項に基づく清算金を請求した事案について,被告は,基本契約において採用されていた清算金支払方式である「損害」をドイツ証券の見積もりに従い同契約に定める「善意で合理的」に算定し,その金額を支払ったから,被告が追加で支払うべき清算金及び遅延損害金は存在しないとして,請求が棄却された事例

9(①東京地裁平24.7.20判決)(②東京地裁平24.7.27判決)…209
 1 デリバティブ取引に関する1992年版ISDAマスター契約に基づく基本契約における損害は,期限前終了日が日本における祝日の場合には,期限前終了日以降合理的に実行可能となった最初の日の時点を基準日として算定すべきである(①事件)
 2 デリバティブ取引に関する1992年版ISDAマスター契約に基づく基本契約における損害は,期限前解約された為替予約取引につき実際に取引が再構築されていない場合,当該取引の時価評価額と当該取引の代替取引を再構築するための費用の両者を含めることはできない(①事件)
 3 デリバティブ取引に関する1992年版ISDAマスター契約に基づく基本契約における損害は,期限前終了日が非営業日であるために当日の相場が直接に得られない場合には,非営業日である期限前終了日の直前の営業日の相場を採用するのが相当である(②事件)
 4 デリバティブ取引に関する1992年版ISDAマスター契約に基づく基本契約における損害は,期限前解約された為替予約取引について現実に代替取引を行っていなくても,当該取引の代替取引を再構築するための費用を損害として算定することができる(②事件)

10(大阪地裁平24.3.23判決)…225
 架空循環取引による巨額の粉飾決算について無限定適正(有用)意見を表明した監査法人の債務不履行責任及び不正行為責任が否定された事例

11(東京高裁平24.12.28決定)…254
 別居中の妻が,長男及び長女を1泊との予定で夫に委ねたところ,夫が妻に対する連絡を断ち,3か月余にわたり長男及び長女を妻の下に戻さなかったとの事情の下で,妻が夫に対し婚姻費用の分担を申し立てた事案において,原審が3か月余にわたる長男及び長女の養育費相当額を含めた婚姻費用分担額を定めて,夫から妻への支払を命じた審判につき,抗告審が信義則を理由に,当該期間における養育費相当額を婚姻費用から控除することは許されない旨判示した事例

[知的財産]
12(知的財産高裁平24.12.5判決)…257
 1 結晶性の「〔R─(R*,R*)〕─2─(4─フルオロフェニル)─β,δ─ジヒドロキシ─5─(1─メチルエチル)─3─フェニル─4─〔(フェニルアミノ)カルボニル〕─1H─ピロール─1─ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(アトルバスタチン)」の発明において,明細書が開示する3つの方法中,1つのみを検討し,実施可能要件を充足するとした審決の判断は是認することができず,その余の記載により実施可能要件を充足するか否かについて審理を尽くしていないとされた事例
 2 引用例における「再結晶」の用語が「再沈殿」又は「再析出」の誤用とはいえず,引用例にはアトルバスタチンを結晶化したことが記載されているから,本件発明は,引用例に記載された発明及び技術常識に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるとして,これと異なる審決の判断に誤りがあるとした事例

13(知的財産高裁平24.8.8判決)…271
 1 携帯電話機用釣りゲームにおける魚の引き寄せ画面及び主要画面の変遷について,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において同一性を有するにすぎず,表現上の本質的な特徴を直接感得することができないとして,翻案が否定された事例
 2 携帯電話機用釣りゲームの冒頭に登場する画面ではなく,ゲームの途中で登場する一画面又はそれに類似する画面にすぎないものであり,ゲームの全過程にわたって繰り返されて長時間にわたって画面に表示されるものではない影像は,不正競争防止法2条1項1号所定の周知な商品等表示に当たらない
 3 ある行為が著作権侵害や不正競争行為に該当しないものである場合,著作権法や不正競争防止法が規律の対象とする著作物や周知商品等表示の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成しない

[諸法]
14(東京高裁平26.5.30判決)…299
 コンビニエンス・ストアのいわゆるデイリー商品の販売について,排除措置命令において違反行為とされた行為が認められないとして,独占禁止法25条に基づく損害賠償請求が否定された事例

[民事保全法]
   大飯原子力発電所運転差止仮処分命令申立事件
15(大阪地裁平25.4.16決定)…309
 1 人格権に基づき原子力発電所の仮の運転差止めを求める場合における具体的危険性についての主張疎明責任
 2 人格権に基づく原子力発電所の仮の運転差止めを求める申立てが,当該原子力発電所は合理性の認められる安全上の基準を満たしており,債権者らの主張する具体的危険性の疎明があるとはいえないとして却下された事例

[民事執行法]
16(東京地裁平26.4.21判決)…335
 競売による不動産買受人の不動産引渡命令の執行に対して賃借権を主張した第三者異議について,実質的に検討した上で,対抗できる賃借権として認めなかった事例

刑事裁判例
[刑法]
17(東京高裁平26.3.26判決)…356
 対面信号機の赤色表示を認識した時点では交差点手前の停止位置で停止できない場合において,刑法208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」に該当するとされた事例

[特別刑法]
   奈良警察官発砲事件(裁判員裁判)
18(奈良地裁平24.2.28判決)…361
 1 車両で逃走中の窃盗,公務執行妨害等被疑事件の被疑者2名を逮捕するなどの職務を行う際,同車両に対してけん銃を発砲した警察官2名につき,殺意を認定することができないとした事例
 2 車両で逃走中の窃盗,公務執行妨害等被疑事件の被疑者2名を逮捕するなどの職務を行う際,同車両に対して警察官2名がしたけん銃の発砲につき,警察官職務執行法7条の要件を満たし,正当な職務行為に該当するとした事例

審級別裁判年月日順索引
最高裁第三小法廷平26.1.14判決[平23(受)1561]…80
最高裁第二小法廷平26.4.7決定[平24(あ)1595]…88

知的財産高裁平24.8.8判決[平24(ネ)10027]…271
知的財産高裁平24.12.5判決[平23(行ケ)10445]…257
東京高裁平24.12.28決定[平24(ラ)2323]…254
東京高裁平26.3.26判決[平25(う)1744]…356
東京高裁平26.5.30判決[平23(ワ)8]…299

奈良地裁平24.2.28判決[平22(わ)81]…361
大阪地裁平24.3.23判決[平19(ワ)10585]…225
東京地裁平24.3.30判決[平23(ワ)1429]…149
東京地裁平24.7.20判決[平22(ワ)46422]…209
東京地裁平24.7.27判決[平23(ワ)3159]…209
広島地裁平24.9.26判決[平22(ワ)1354]…109
東京地裁平25.1.23判決[平22(行ウ)615]…123
東京地裁平25.1.29判決[平23(ワ)30412]…199
大阪地裁平25.4.16決定[平24(ヨ)262(第1事件)][平24(ヨ)318(第2事件)]…309
大阪地裁平25.4.19判決[平22(行ウ)35]…91
東京地裁平25.7.24判決[平23(ワ)3608]…184
東京地裁平26.4.21判決[平23(ワ)39794]…335

「判例タイムズ」のバックナンバー

他にも1542件のバックナンバーがあります