書籍詳細

判例タイムズ 1382号 1月号 (2012年12月25日発売)

判例タイムズ 1382号 1月号 (2012年12月25日発売)

判例タイムズ社

【論説紹介】大阪民事実務研究車両保険に基づく保険金請求事件について盗難及び人為的損傷による事故を題材として/齋藤 聡…5あるべき供述調書の姿を求めて/和久田 斉…

3143円(税込)

目次

判例タイムズ 1382号 1月号 (2012年12月25日発売)

【論説紹介】

大阪民事実務研究
車両保険に基づく保険金請求事件について
盗難及び人為的損傷による事故を題材として/齋藤 聡…5

あるべき供述調書の姿を求めて/和久田 斉…20

執行法制研究4
韓国における金銭債務名義の実効性担保のための制度
財産明示制度を中心として/古賀 政治…39

裁判員裁判における法律概念に関する諸問題22[大阪刑事実務研究会]
中止未遂(下)/西田 眞基・木山 暢郎・福島 恵子…52

ブック・レビュー 新潟県弁護士会編『保証の実務〔新版〕保証契約の不成立から求償まで』
保証契約の現在/加藤 新太郎…80

【判例紹介】全30件(最高裁判例1件)

最高裁判例
[刑事訴訟法]
1(最高裁第二小法廷平24.9.7判決[平23(あ)670])…85
 1 前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いる場合の証拠能力
 2 前科証拠を被告人と犯人の同一性の証明に用いることが許されないとされた事例
  
行政裁判例
[行政争訟法]
2(新潟地裁平23.11.17判決[平21(行ウ)5])…90
 保健所長が,食品衛生法54条及び6条に基づき,販売済みの米澱粉の回収等を命じた行政処分について,行政手続法14条1項本文が要求する程度の理由付記があったとはいえないとして,当該処分を取り消した事例

3(旭川地裁平23.10.4判決[平20(行ウ)5,平21(ワ)350,平23(ワ)269])…100
 スーパーで食料品を窃取した農業委員会事務局主査に対する懲戒免職処分は違法,無効ではないとされた事例

[国家補償法]
4(札幌地裁平24.3.9判決[平22(ワ)368])…110
 高校の柔道部に所属する生徒が練習試合中対戦相手に投げられ負傷した結果,重篤な後遺障害が残ったことにつき,顧問教諭に過失があったとして,道(学校側)の国家賠償責任が認められた事例
 
5(静岡地裁平24.1.13判決[平21(ワ)711])…121
 1 公立病院の医師が病院長による退職勧奨行為及び他病院への配転命令は違法であるとして提起した国家賠償請求が棄却された事例
 2 公立病院の病院長による地元医師の加入するメーリングリストに対する投稿行為が国家賠償法1条1項の「職務を行うについて」に当たるとして,病院長個人に対する損害賠償請求が棄却された事例
  
6(新潟地裁長岡支部平23.12.7判決[平19(ワ)148])…138
 歩道設置工事を施工した傾斜地の崖崩れについて,記録的な量の降雨が原因であるとして,歩道設置工事施工及び設置管理者たる市の損害賠償責任が否定された事例

民・商事裁判例
[民 法]
7(東京地裁平24.3.30判決[平22(ワ)42085])…152
 税理士である被告との間で税務顧問契約を締結した原告が,被告に対し,消費税課税事業者選択届出書の提出について助言等をする義務を怠った債務不履行に基づく損害賠償を求めたが,これを否定した事例

8(東京地裁平24.1.30判決[平22(ワ)26344])…162
 持ち帰り弁当販売事業を展開するマスターフランチャイザーがしたフランチャイズ契約の更新拒絶が債務不履行に当たるとして,サブフランチャイザーが新たな持ち帰り弁当販売事業の立ち上げのために支出した費用の一部につき損害賠償請求が認められた事例
  
9(東京地裁平22.12.22判決[平21(ワ)2330])…173
 有害物質が混入した冷凍餃子と同じ製造元において製造され,被告が輸入し原告に販売していた他の冷凍食品について,商品に瑕疵があるとされ,瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求が認容された事例

10(東京地裁平22.2.10判決[平20(ワ)12317ほか])…186
 学習塾のフランチャイズ契約に関してユーザーとファイナンスリース会社間でリース契約が有効に成立したとされた事例

11(札幌地裁平24.6.7判決[平21(ワ)4277])…200
 ワインの寄託を受けた受寄者に定温・定湿義務の違反があったとして,損害賠償責任が認められた事例

12(東京地裁平23.12.27判決[平22(ワ)19040])…208
 Xの人格権に基づきYらのXに対する支払要求行為の差止めが認められた事例
  
13(盛岡地裁水沢支部平23.11.29判決[平22(ワ)30])…218
 橋梁維持修繕工事施工中の県道上の自動車衝突事故について工事の発注者である県に注意義務違反があったとして,保険会社の代位請求を認めた事例

14(東京地裁平23.5.25判決[平22(ワ)26541,平22(ワ)32271])…229
 司法書士に対する懲戒請求及び告訴が不法行為を構成するとされた事例
  
15(東京地裁平22.2.24判決[平20(ワ)30163])…238
 弁当屋の店長が業務中に死亡したことにつき会社に安全配慮義務違反(不法行為責任)があるとして損害賠償請求が一部認容された事例(過失相殺3割)

16(横浜地裁平24.7.31判決[平21(ワ)5042])…249
 交通事故後被害者に生じた症状について,脳脊髄液減少症を発症したと確定的に認めることはできないが,その疑いが相当程度あり,被害者の症状が重いことや既往症があったとは認められないこと,本件事故の態様などの事情を総合すると,自動車損害賠償保障法施行令別表第二第9級10号の後遺障害が認められるとされた事例

17(①東京地裁平23.11.24判決[平21(ワ)55],②東京地裁平23.11.24判決[平21(ワ)5513])…259
 1 診療に関わった互いに提携関係にある2つの医療機関の双方に債務不履行に基づく損害賠償責任が認められた事例(①,②事件)
 2 手掌多汗症に対する胸部交感神経遮断術後に患者に生じた重度の代償性発汗について担当医師に説明義務違反とこれによる自己決定権の侵害が認められた事例(①,②事件)
 3 ある治療法の実施についての説明義務違反による債務不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点(①,②事件)

18(岡山地裁平23.6.14判決[平17(ワ)153])…287
 肘内側の静脈注射により患者に神経損傷の障害を与えたが,注射を行った看護師及び同看護師を指示した医師に過失がないとされた事例

[知的財産]
19(知的財産高裁平24.2.28判決[平23(行ケ)10342])…298
 「ABBEY ROAD」の文字からなる商標の使用が,世界的に著名なロックバンド又はこれと密接な関係にあるXの業務に係る商品と混同を生じるものであるとして,商標法51条1項に基づく商標登録の取消審判請求がなされたのに対し,この請求を不成立とした審決が維持された事例

20(知的財産高裁平23.9.8判決[平22(行ケ)10296])…303
 引用例に記載された発明に特記すべき問題点は存在しなかったことを前提に,引用例に記載されたものとは異なる,向上した特性を有する飽和炭化水素の混合物を使用することにより,鼻用軟膏としての効果を確認することが明細書に記載されている本願発明につき,引用例の実施品に効果がないとか,身体に危害を及ぼすおそれがあると認識していたという出願人の主張を排斥して,「ペトロラタムを基にした鼻用軟膏」に係る発明の進歩性を否定した事例
  
21(知的財産高裁平23.4.28判決[平22(行ケ)10401])…313
 浄水器に係る本件意匠について,引用意匠との共通点は,いずれも格別に顕著な特徴ということはできないのに対し,差異点は,美感に及ぼす影響が大きく,需要者に全体として引用意匠とは異なる美感を生じさせる意匠的効果を有するから,本件意匠と引用意匠とを全的的に観察した場合,両意匠は類似するものということはできないとされた事例
  
22(知的財産高裁平23.4.27判決[平22(行ケ)10326])…321
 「Gold Loan」(本願商標)と「Ci iGold Loan」(引用商標)とは,外観,称呼において類似せず,取引の実情を考慮にいれても,役務の出所に誤認を生じさせるおそれがあるとはいえないとして,本願商標と引用商標は類似するとした審決を取り消した事例
  
23(知的財産高裁平23.12.26判決[平23(ネ)10038])…329
 折り紙折り図についての著作権侵害及び著作者人格権侵害が争われた事案において,被告による被告折り図の作成ないし被告のホームページへの掲載行為は,原告の折り紙折り図について有する著作権ないし著作者人格権を侵害しないなどと判断された事例
  
24(知的財産高裁平23.2.24判決[平22(ネ)10074])…335
 1 特許権者が,特許発明を実施する者に対し,特許権の侵害である旨の告知をしたことが,結果的に当該特許が無効にされるべきものとして権利行使が許されないため,競業者の営業上の信用を害する結果となる場合において,不競法2条1項14号による損害賠償責任の有無を検討するに当たっては,特許権者の権利行使を不必要に萎縮させるおそれの有無や,営業上の信用を害される競業者の利益を総合的に考慮した上で,違法性や故意過失の有無を判断すべきものである
 2 特許権を侵害する旨の告知をした後に,結果的に本件特許が無効にされるべきものとして権利行使が許されないとされ,競業者の営業上の信用を害する結果となる場合において,当該特許の無効理由が告知行為の時点において明らかなものではなく,新規性欠如といった明確なものではなく,無効理由について特許権者が十分な検討をしなかったという注意義務違反を認めることはできないこと,告知行為の内容ないし態様が社会通念上著しく不相当であるとはいえず,本件特許権に基づく権利行使の範囲を逸脱するものとまではいうこともできないことから,少なくとも故意過失がないとして,不競法2条1項14号所定の損害賠償責任はないとされた事例

[倒産処理法]
25(①東京地裁平23.8.15判決[平23(モ)75154],②東京地裁平23.8.15判決[平23(モ)75158])…349
 1 事業再生ADR手続の申請に向けて行われた支払猶予の申入れ等の行為が会社更生法88条1項所定の「支払の停止」に該当せず,同項による否認が認められなかった事例(①事件,②事件)
 2 「支払の停止等」の前に行われ,会社更生法88条1項が適用されない主債務者の根抵当権設定に係る対抗要件具備行為につき,同法86条1項1号の適用もないとされた事例(①事件)
 3 「支払の停止等」の前に行われ,会社更生法88条1項が適用されない物上保証人の根抵当権設定に係る対抗要件具備行為につき,同法86条1項1号により否認することができるとされた事例(②事件)

刑事裁判例
[刑 法]
26(福岡高裁平23.4.27判決[平22(う)420])…366
 傷害致死罪の罪となるべき事実の摘示に訴訟手続の法令違反(刑訴法335条1項違反)があるとして1審判決を破棄した事例

[特別刑法]
27(東京地裁平22.4.5判決[平21特(わ)2957])…372
 1 インサイダー取引である株式の売付けにより得た財産(売却代金)又は同買付けにより得た財産の対価として得た財産(売却代金)について,当該財産が信用取引により取得されている場合において,その決済後に犯人が実質的に得ることのできない部分が高額にのぼるなど,当該財産の全部を没収することが,犯人に対し過酷な結果をもたらすと認められるときは,金融商品取引法198条の2第1項ただし書を適用して,各売却代金のうち決済後に犯人の手元に残る売買差益と委託保証金の合計金額に相当する部分のみを没収・追徴することも合理的な裁量として許されるとされた事例
 2 インサイダー取引の共同正犯者Aらが共同して同取引により得た財産について,共同正犯者全員が共同被告人とされている上,Aが同財産をすべて取得しており,他の共同正犯者において不法な利益の再投資のおそれがないなどの事情が認められる場合には,その全額をAからのみ追徴することも許されるとされた事例

[刑事訴訟法]
28(福岡高裁平23.4.13判決[平22(う)320])…377
 1 現住建造物等放火の公訴事実について,被告人の自白に基づいて放火の手段,方法を認定して被告人を有罪とした1審判決に,自白の信用性判断を誤って放火の手段,方法を認定した事実誤認があり,有罪の結論が変わらなくても,その誤認は判決に影響を及ぼすとされた事例
 2 出火の原因が電気製品等の不具合による偶発的な事故やタバコの不始末等の失火ではなく,放火であることが明らかな場合,その出火の原因について被告人が明らかな虚偽の供述をしたという事実を被告人に不利益な方向への間接事実として被告人の犯人性を肯定した事例

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