判例タイムズ1108

2003年2月15日号 (毎月1日・15日刊行)
定価1,910円(税込)


 
     
◆特 集◆群馬司法書士会訴訟最高裁判決をめぐって

・訴訟提起にいたる経緯・訴訟の推移・各判決の要旨/編集部

・団体の目的の範囲と構成員の思想信条の自由/浦部法穂

・司法書士の社会的職責と司法書士会の目的/甲斐道太郎

・法人の寄付について/河内 宏

・群馬司法書士会震災復興支援金事件の最高裁判決の意義とその問題点/山田創一

集合債権譲渡担保契約の否認[民事実務研究]/飯島敬子  令状の数通発付[令状問題研究3]/安西二郎  接見等禁止[令状問題研究4]/河原俊也  サイバー犯罪条約(2001年11月23日)によるコンピュータ犯罪法及び  インターネット犯罪法の国際調和   ーハッキング、違法なデータ入手及び違法な通信傍受を例に[ネットワークと法の中心課題16]  /クリスティアン・シュワルツネッガー(夏井高人・笠原毅彦 訳)  山口地裁における医療関係訴訟等の運営に関する取り組みについて(その3)/山下 満
 山口医療訴訟連絡協議会(第3回)議事録  /江里健輔・沖田 極・小長英二・小柳信洋・崎重邦男・福村昭信・松崎益徳・由村建夫  ・白井俊紀・越智 博・作良昭夫・嶋村慎二・末永汎本・中光弘治・濱崎大輔・森重知之  ・安部 勝・神坂 尚・小出金亨一・古賀輝郎・栄 岳夫・杉山順一・田中義則・能勢顕男  ・山口浩司・山下 満  続・ボールスプライン事件最高裁判決以後の均等論の適用/遠藤 誠
 判例紹介 全22件(最高裁判例5件)



◆特 報

▼山形マット死事件損害賠償請求訴訟第一審判決(山形地裁平成14年3月19日判決)
中学校内で死亡した生徒の遺族が同生徒の死亡に関し傷害致死の非行事実により保護処分決定を
受けた少年ら及び非行事実なしとして不処分決定を受けた少年らに対して提起した損害賠償請求
が、少年らの自白は信用できず、いずれの少年についても非行事実が認められないとして棄却さ
れた事例



◆最高裁判例

[行政法一般]
(最高裁第一小法廷平14・9・12判決)
請求書に記載された債権者の取引銀行名及び口座番号並びにこれに押なつされた印影が奈良県情
報公開条例(平成8年奈良県条例第28号)10条3号に該当しないとされた事例


[行政争訟法]
(最高裁第一小法廷平14・10・24判決)
行政処分が通知ではなく告示をもって画一的に告知される場合における行政不服審査法14条1
項にいう「処分があったことを知った日」の意義

[地方自治法]
(最高裁第二小法廷平14・10・11判決)
公立学校教員採用選考筆記審査の択一式問題とその解答が高知県情報公開条例(平成2年高知県
条例第1号)6条8号に該当しないとされた事例

[刑  法]
2 リクルート事件文部省ルート上告審決定(最高裁第二小法廷平14・10・22決定)
中央省庁の幹部職員の不作為について収賄罪における職務関連性が認められた事例



◆憲法裁判例

1 大分人勧スト処分取消訴訟控訴審判決(福岡高裁平12・10・6判決)
人事院勧告の全面実施を求める争議行為を理由とする懲戒処分が憲法28条・98条2項に違反
せず、懲戒権の濫用にも当たらないとされた事例



◆行政裁判例

[情報公開]
(宮崎地裁平12・9・4判決)
宮崎県情報公開条例に基づく県監査委員事務局の旅費及び食糧費の支出に係る文書並びに出勤簿
等の開示請求に対し、県監査委員がした非開示決定が、一部取り消された事例



◆労働裁判例

[個別的労働関係]
1 日米英語学院事件判決(大阪地裁平12・3・10判決)
一 解雇された英会話講師の稼働率低下はストライキに対する会社の対抗措置が主たる原因であ
るなどとして就労状況不良等を理由になされた解雇を権利濫用で無効とした事例
二 右講師らが頻繁にしていたストライキが目的・態様・手続の点で労使間の信義に反する違法
なものとは認められないとされた事例



◆民・商事裁判例
 
[民  法]
(東京高裁平13・11・13判決)
将来の債権を含む集合債権の譲渡につき平成10年法務省告示第295号3(5)項番24の「
債権発生年月日(始期)」のみ記載し同項番25の「債権発生年月日(終期)」を記載しないで
した債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律に基づく登記の対抗力の範囲


(東京地裁平13・2・16判決)
証券会社が、顧客から寄託を受けていた株式を顧客に無断で売却し、その売却代金を顧客に引き
渡した後に、右株式と同種同等の株式の返還を命ずる判例に基づき、これを顧客に引き渡した場
合には、顧客に対して右株式を引き渡した時点において、売却代金相当額について不当利得返還
請求権が成立する


(東京地裁平12・12・20判決)
いわゆる経営指導念書について保証等の法的効力が否定された事例

(東京地裁平12・8・31判決)
ローン・パーティシペーションの取りまとめ債権者と、参加債権者との間において、取りまとめ
債権者からその子会社が融資を受けてローン債務者の所有不動産を競落したことにより取りまと
め債権者が受領した配当が、参加債権者に分配されるべきローンの「回収」に該当するか否かが
争われた事例(積極)


5 長崎日鉄鉱業じん肺訴訟(福岡高裁平12・7・28判決)
下請業者に雇用された鉱夫について、元請業者に安全配慮義務の不履行に基づく損害賠償請求が
認められた事例


(東京地裁平12・12・8判決)
患者に侵襲性の高い治療を施すに当たり、患者から有効な承諾を得るために行うべき当該治療の
目的や必要性についての明確で十分な説明を怠ったとして、歯科医師の不法行為責任が認められ
た事例


(東京地裁平12・2・28判決)
生体腎移植手術を受けた患者が、肺水腫を引き起こして死亡した事案につき、術後管理に過失が
あったとして、病院側の損害賠償責任が認められた事例


(東京地裁平14・8・21判決)
一 いわゆる扶養契約に基づく扶養料請求は民事訴訟事項である
二 扶養義務者たる父母の間で母が子の扶養をする旨の具体的な協議がなされ、子がその協議結
果を了承し、母が作成した合意書が子に手交されたときは、母子間に扶養契約が成立したものと
いうべきである
三 扶養契約が子の四年制大学進学を前提としてなされたものであっても、その後に子が大学進
学を断念し二年制専門学校へ行くことを決め、母がその事実を知りながら生活費の仕送りを続け、
かつ子を励ましている事実のもとにおいては、扶養契約が大学進学を条件としていたと認めるこ
とはできないが、扶養の内容は子が専門学校を卒業する時期と費用をもって限度とする趣旨に改
められたものというべきである
四 本件扶養契約上の債務は自然債務とは認められない
五 扶養契約の一環としてワンルーム・マンションの贈与が行われたと認められた事例


[商  法]
9 ロイヤルホテル株主代表訴訟事件判決(大阪地裁平14・1・30判決)
一 ホテル事業を営む株式会社が、関連会社に対して融資を行い、同社に対する債権を放棄した
ことについて、株式会社の取締役に善管注意義務違反及び忠実義務違反は認められないとして、
原告らの請求を棄却した事例
二 関連会社に対する融資が、商法260条2項1号にいう「重要ナル財産ノ処分」に該当しな
いとした事案
三 株式会社の代表取締役が、同社を代表し、他社を経由して、自己が代表取締役を務める関連
会社に対して融資をしたことが、商法265条1項所定の取引に該当しないとした事例
四 株式会社の代表取締役が、同社を代表し、自己が代表取締役を務める関連会社に対する債権
を放棄したことが、商法266条1項4号にいう「前条第1項ノ取引」に該当しないとした事例


[知的財産]
10(東京地裁平14・5・15判決)
ブレードに係る発明の特許請求の範囲において、「セラミック材料の表面被覆が最高〇・25ミ
リメートルの全厚さを有する層」との数値限定が付されていた場合に、被告の製造、販売した時
点では「〇・525ミリメートルないし〇・313ミリメートルの厚さ」を有するが、購入者が
本来の用途に従って使用する過程で、磨耗することにより、被覆の厚さが右数値限定の範囲に含
まれる結果となったとしても、特許法101条1号にいう間接侵害には当たらないとされた事例


11(東京高裁平14・6・26判決)
一 別件訴訟を提起するに至った一方当事者としての言い分を説明するための記者会見における
発言が、その受け手である当該業界のマスコミ関係者の予備知識、注意力等を踏まえて、その普
通の注意と聞き方を基準とした場合に、不正競争防止法2条1項14号の「虚偽の事実」の陳述
に当たらないとされた事例
二 右の発言及びその内容を業界誌の記事に掲載させた行為につき、名誉毀損の不法行為が否定
された事例


[民事執行法]
12(東京地裁平12・11・15判決)
一 配当留保供託をすべきことを異議事由とする場合にも配当異議の利益があるとされた事例
二 租税債権と私債権間には民法394条2項但書の適用がないとして配当異議の請求を棄却し
た事例



◆刑事裁判例

[刑  法]
(函館地裁平14・9・17判決)
危険運転致死罪における危険運転行為の故意が認められた事例



◆速  報

(最高裁第一小法廷平14・11・5判決)
自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為と民法103
1条に規定する遺贈又は贈与


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