判例タイムズ1151

2004年8月15日号 (毎月1日・15日発行)
定価1,910円(税込)





■刑事裁判手続における被害者保護の諸問題[大阪刑事実務研究会]
2 証人付添人に関する諸問題/島田睦史
3 遮へい措置、ビデオリンクに関する諸問題/角田正紀

畏友 石井一正教授にあえて反論する   『合理的疑い』の範囲などをめぐって/木谷 明

家事調停事件における「説得の基礎」  ー要件事実論・事実認定論を手掛かりに/河村 浩

■ローエイシア 第18回東京大会(2003.9) 子どもの権利の擁護  ー子の監護者決定の審理における子どもの意思(希望)  /ジョン・ブレナン[報告]・野田愛子[訳]

ニューヨーク及びワシントンDCの裁判所付設型ADRについて  [世界の司法ーその実像を見つめて63]/小川嘉基

大阪地方裁判所医事事件集中部発足3年を振り返って  /大阪地方裁判所専門訴訟事件検討委員会

木川統一郎[編著]『民事鑑定の研究』  [ブック・レビュー]/加藤新太郎・日暮直子 判例紹介 全13件(最高裁判例3件)
◆特 報

(最高裁第二小法廷平16.4.19決定)
1 盗聴録音された通話内容を再生して第三者に聞かせた行為につき自らは盗聴録音に関与してい
ないとしても電気通信事業法(平成11年法律第137号による改正前のもの)104条1項の罪
が成立するとされた事例


(岡山地裁倉敷支部平14.6.28判決)
自賠責保険で5級2号に該当するとされた頭部外傷に起因する神経系統の機能又は精神の障害につ
き,いわゆる高次脳機能障害に当たると認定した上,従来の自賠責保険後遺障害認定基準に加えて,
補足的に,脳外傷による高次脳機能障害の等級認定基準を定めることを試み、3級3号に当たると
判断した事例


3 サンゴ砂事件(東京地裁平15.10.16判決)
1 X(日本法人)による米国内における製品の販売につきY(日本法人)が米国特許権に基づく差
止請求券を有しないことの確認を求める訴えにつき,国際裁判管轄及び確認の利益が認められた事例
2 米国内における製品の販売につき,米国特許権の分言侵害,均等侵害がいずれも成立しないと
判断された事例
3 Xの米国における取引先に対して,日本国内から,X販売に係る製品が米国特許権を侵害する旨
の電子メールまたは書簡を送付する行為が、不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為に
該当すると判断され,当該内容の告知・流布の差止請求が認容された事例


4 オウム真理教代表者に対する地下鉄サリン事件等第一審判決
(東京地裁平16.2.27判決)
オウム真理教代表者の被告人に対し,弁護士一家殺害事件,松本サリン事件,地下鉄サリン事件等
13の事件について,教団幹部らとの共謀を認めて有罪とし,死刑を言い渡した事例



◆速 報

1 靖國参拝第2次大阪訴訟(大阪地裁平16.5.13判決)
1 内閣総理大臣である小泉純一郎が,平成13年8月13日,平成14年4月21日及び平成1
5年1月14日に靖國神社を参拝した行為は、国の機関としての内閣総理大臣の行為と客観的外形
的にみるべきものではなく、国賠法1条1項にいう「職務を行うについて」に該当する行為である
とはいえないとされた事例
2 小泉純一郎が靖國神社を参拝した行為によって原告らの法的利益が侵害されたとは認められな
いとされた事例
3 靖國神社が小泉純一郎の参拝を受け入れた行為によって原告らの法的利益が侵害されたとは認
められないとされた事例


2 LPガス販売差別対価差止請求事件
(1 東京地裁平16.3.31判決)(2 東京地裁平16.3.31判決)
1 大手販売会社によるLPガスの販売が地域による不当な差別対価にあたらないとして,中小小売
業者からの独占禁止法24条に基づく差止請求が棄却された事例(1事件)
2 大手販売会社によるLPガスの販売が相手方による不当な差別対価に当たらないとして,中小小
売業者からの独占禁止法24条に基づく差止請求が棄却された事例(1事件,2事件)



◆最高裁判例

[民  法]
(最高裁第三小法廷平16.4.20判決)
相続財産である可分債権につき共同相続人の1人がその相続分を超えて債権を行使した場合に他の
共同相続人が不法行為に基づく損害賠償または不当利得の返還を求めることの可否


[民事訴訟法]
(最高裁第一小法廷平16.4.8決定)
不正競争防止法3条1項に基づく差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えと
民訴法5条9号


[刑  法]
(最高裁第一小法廷平16・3・22決定)
1 被害者を失神させた上自動車ごと海中に転落させてでき死させようとした場合につき被害者を
失神させる行為を開始した時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例
2 いわゆる早過ぎた結果の発生と殺人既遂の成否


(最高裁第二小法廷平16・2・17決定)
被害者が暴行による傷害の治療中に医師の指示に従わなかったために治療の効果が上がらなかった
としても暴行と死亡との間に因果関係があるとされた事例


[刑事訴訟法]
(最高裁第二小法廷平16・2・16決定)
被告人のみの控訴に基づく控訴審において裁判所が第一審判決の理由中で無罪とされた事実を第一
審に差し戻すことが職権の発動の限界を超え許されないとされた事例



◆民・商事裁判例

[民  法]
(東京高裁平15.2.20判決)
債務不履行に基づく損害賠償請求権については,債権者が債務者の義務違反を基礎づける事実と損
害の発生及び義務違反と損害との因果関係を認識しまたは認識することができた時は,権利の性質
上,その権利行使が現実に期待できるから,その時から消滅時効は進行し,権利の行使につき単な
る事実上の障害があるからといって,消滅時効の進行は妨げられない


(大阪高裁平15.5.22判決)
不法占拠者について,取得時効の要件である「所有の意思」が否定された事例

(福岡高裁平14.12.17判決)
フリーダイヤル回線の設置の債務不履行につき,責任制限約款により,電気通信会社に責任を認め
なかった事例



◆刑事裁判例

[刑事証拠法]
(横浜地裁川崎支部平15.8.14決定)
児童買春等処罰法被告事件の弁護人が刑事確定訴訟記録法に基づいて行った,同種事件の判決書に
係る閲覧請求を不許可とした検察官の処分が取り消された事例

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