判例タイムズ1360

2012年2月1日号 (毎月1日・15日発行)
定価2,000円(税込)


名誉毀損訴訟解説・発信者情報開示請求訴訟解説  東京地方裁判所プラクティス委員会第一小委員会 澤野芳夫・三浦隆志・齊藤充洋・横井靖世・櫻庭一威・長嶋義延・矢代陽子 4 大阪民事実務研究 退職金請求事件における主張立証責任の考察 精神的疾患のある労働者に対する懲戒解雇の効力が争われた事例を中心として 徳増誠一  37 国を当事者とする訴訟における法律問題6 公法上の法律関係に関する確認訴訟の動向 西村淑子 60 独占禁止法の新たな展開27 再販売価格維持規制のあり方 村上政博 68 ブック・レビュー 個人再生手続の心得 鹿子木康=島岡大雄編/東京地裁個人再生実務研究会『個人再生の手引』 園尾隆司 79 ブック・レビュー 抗告審の視点から少年事件を紐解く 植村立郎 著 『少年事件の実務と法理―実務「現代」刑事法』 波床昌則 82 判例紹介


最高裁判例 [地方自治法] 1(最高裁第一小法廷平23.9.8判決[平21(受)1408])・・・85  国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める地方自治法 (平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号の規定による住民訴訟において住民が 勝訴した場合の同条7項にいう「相当と認められる額」の認定に当たり,当該普通地方公共団体が回収 した額を考慮する際にその回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除することの可否 [民 法] 2(最高裁第三小法廷平23.10.25判決[平21(受)1096])・・・88  個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効である ことにより,購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となるか 3(最高裁第三小法廷平23.10.18判決[平22(受)722])・・・93  無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果 4(最高裁第二小法廷平23.7.15判決[平21(受)1905,平21(受)1906])・・・96  弁護士であるテレビ番組の出演者において特定の刑事事件の弁護団の弁護活動が懲戒事由に当たると して上記弁護団を構成する弁護士らについて懲戒請求をするよう視聴者に呼び掛けた行為が,不法行為 法上違法とはいえないとされた事例 行政裁判例 [地方自治法] 5(東京地裁平22.12.22判決[平21(行ウ)249])・・・105  1 国立市が,民間企業からの別件損害賠償請求事件において,前市長の当該民間企業に対する営業 活動妨害等を理由として損害賠償金等の支払を命じる判決を受け,当該民間企業に対し,当該損害賠償 金等を支払ったことから,国立市が前市長に対して求償権(国家賠償法1条2項)を有し,その不行使が 怠る事実に該当するとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,前市長に当該損害賠償金等相当額 の支払を請求することを現市長に対して求める請求が,認容された事例  2 上記民間企業が国立市に対してした上記損害賠償金等と同額の一般寄附は,上記損害金等を実質的 に填補する趣旨でされたものではないとして,これをもって国立市の前市長に対する上記求償権が消滅し たとは認められないとされた事例  3 国立市が前市長に対して上記求償権を行使することが信義則に反するとはいえないとされた事例 6(大阪高裁平22.8.27判決[平21(行コ)169])・・・127  派遣職員の人件費に充てるため,市が派遣先外郭団体に対して行った補助金等交付が違法であるとし て,市長と団体に対して損害賠償等請求の義務づけ訴訟が,上記損害賠償等請求権は条例により放棄さ れたため,消滅したとして,棄却された事例
労働裁判例 [個別的労働関係] 7(東京地裁平22.12.27判決[平21(ワ)18832])・・・137  1 会社の部長職にあった従業員が取引先の若い女性従業員に対するわいせつ行為を理由に懲戒解雇 処分を受けたことについて,解雇事由を認定し懲戒解雇処分を有効とした事例(本訴)  2 当該従業員がわいせつ行為の存在を否定して会社に対して起こした本訴は濫訴であり不法行為に あたるとして,会社が応訴及び反訴に要した費用の一部につき損害賠償請求を認めた事例(反訴)
民・商事裁判例 [民 法] 8(東京地裁平23.3.15判決[平19(ワ)27074])・・・155  1 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に 基づく損害賠償を請求する場合における損害  2 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に 基づく損害賠償を請求する場合における損益相殺ないし損益相殺的な調整  3 いわゆる環状取引に参加した者が当該環状取引を構築した取引当事者以外の第三者に不法行為に 基づく損害賠償を請求する場合における過失相殺と損益相殺ないし損益相殺的な調整の順序 9(熊本地裁人吉支部平22.4.27判決[平21(ワ)32])・・・173  貸金業者からの過払金の返還について,過払金の返還を受ける債権者の代理人である弁護士が同弁 護士の預金口座にその過払金を振り込むよう重ねて指示したにもかかわらず,貸金業者がこれに従わ ず,あえて債権者本人の預金口座にこれを振り込んだことが義務の履行として信義則に反するとして, 不法行為が成立するとされた事例 10(長野地裁上田支部平23.3.4判決[平20(ワ)262])・・・179  歯科医院において歯の治療を受けていた患者に「非定型歯痛」が発症し悪化したことについて,転 院義務違反があったとして,その損害賠償責任が認められた事例 [商 法] 11(東京高裁平23.5.23判決[平22(ネ)7256])・・・197  自動車の盗難を保険事故とする保険金請求において,盗難の外形的事実である「被保険者以外の第 三者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」につき高度な蓋然性 があると認められる程度まで立証できたとはいえないとして,保険金請求が棄却された事例 [知的財産] 12(知的財産高裁平22.9.22判決[平21(ネ)10067])・・・204  特許出願に際して願書に共同発明者として記載されている者につき,着想を提供した者ではなく,ま た,その具体化についても協力者・補助者として実験を行うなどして発明の完成を援助したことを超え て重要な貢献を行った者でもないとして,当該発明の発明者ということができないとされた事例 13(知的財産高裁平22.2.3判決[平21(行ケ)10305])・・・213  衣料品の下げ札や手提げ袋に「PINK BERRY」の表示をしてこれを販売する行為は,指定商品を「洋 服」等とする「Pink berry」なる商標の使用に当たる 14(東京地裁平23.4.26判決[平20(ワ)28364])・・・220  PCプラントの設計図面を作成して第三者に開示した被告の行為は,不正に開示された営業秘密を取得 して,第三者に開示したものであり,不正競争防止法2条1項8号の不正競争行為に当たるとした事例 [諸 法] 15(東京地裁平23.2.9判決[平21(ワ)8353])・・・240  トイレブースに製造物責任法上の欠陥がないとされた事例
刑事裁判例 [刑 法] 16([1事件]神戸地裁尼崎支部平22.4.19判決[平21(わ)5] [2事件]神戸地裁尼崎支部平23.2.28決定[平22(そ)1])・・・246  1 現住建造物等放火被告事件において,被告人が,犯行時妄想型統合失調症の急性期にあり責任能力 を有していたと認めるには合理的な疑いが残るとして無罪が言い渡された事例(1事件)  2 上記事件の被告人からの刑事補償請求に対し,捜査機関に故意過失がないこと,請求人が逮捕当時 無職で収入がなかったこと,その他,刑事補償法4条2項が定める請求人が被った精神的損害などの諸般 の事情を総合考慮すると,1日当たり金3000円の割合による補償金を交付するのが相当であるとされた事例(2事件)

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