書籍詳細

判例タイムズ 1247号 (2007年10月15日発売)

判例タイムズ 1247号 (2007年10月15日発売)

判例タイムズ社

■研究会「事実認定と立証活動」7 効果的立証・検証・鑑定と事実認定 /山浦善樹(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)■特集・まちづくりと住…

2096円(税込)

目次

判例タイムズ 1247号 (2007年10月15日発売)

■研究会「事実認定と立証活動」7
 効果的立証・検証・鑑定と事実認定
 /山浦善樹(ゲスト)・馬橋隆紀・須藤典明・村田 渉・加藤新太郎(司会)

■特集・まちづくりと住民自治
 1まちの成り立ち
  歴史的概観からまちづくりの法的構成要素を探る/田中修一
 2建築協定とまちづくり/小賀野晶一
 3まちづくりと地域コミュニティ
  社会のありようの変遷と市民協働による「まちづくり」/坂上 稔
 4住民自治とコンプライアンス/西口 元

■判例展望民事法35
 裁判実務における錯誤論
 その現状と課題—同時存在の原則を中心として/松本光一郎

◆千葉県医事関係裁判運営委員会第11回定例会

◆宇都宮地方裁判所における倒産事件の運用/手塚富穂

◆後継ぎ遺贈型受益者連続信託の法と経済分析/福井秀夫

■実践 刑事弁護:裁判員にわかりやすい弁護のために1
 刑事弁護
 わかりやすさの路標/早野貴文

■世界の司法107——その実像を見つめて
 イングランド刑法におけるネセシティの理論について
 謀殺罪との関係を中心に/上原恵美子

■世界の司法108——その実像を見つめて
 アメリカ民事訴訟における電子化の状況について/吉岡大地

判例紹介 全22件  細目次は本号冒頭頁
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◆特   報
[憲  法]
1(最高裁大法廷平19.6.13判決)
1 衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条のいわゆる1人別枠方式を含む衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りの基準を定める規定及び公職選挙法13条1項,別表第1の上記区割りを定める規定の合憲性
2 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性
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◆最高裁判例
[刑事訴訟法]
1(最高裁第三小法廷平19.6.19決定)
判決が確定した後,その基礎となった被告事件係属中の勾留について取消しを求める趣旨の書面が裁判所に提出されても,裁判所は,これに対し何ら判断を示す必要はない
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◆行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平19.1.31判決)
1 ミャンマー人の男性について反政府活動をしていたことを理由に難民に該当するとされた事例
2 難民であることを看過してされた出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決及び退去強制令書発付処分が取り消された事例

[地方自治法]
2(大阪地裁平18.12.20判決)
1 宅地に係る固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)別表第3「画地計算法」上のいわゆる1筆1宅地評価原則の趣旨
2 1筆の宅地が賃貸マンション敷地と商業用駐車場とに分かれて利用されている場合において,画地計算法上,両者をそれぞれ別画地として区分して評価すべきものとされた事例
3 商業用駐車場が所有者を異にする2筆の土地にまたがって存在する場合において,画地計算法上,これらを1筆ごとにそれぞれ1画地として評価すべきものとされた事例

3(大阪地裁平18.8.23判決)
市長が20年以上勤続して退職した職員について職員の給与に関する条例(昭和31年大阪市条例第29号。平成17年大阪市条例第20号による改正前のもの)5条6項の「市長が特に必要と認めた場合」に該当するものとして特別昇給をさせたことが地方公務員法40条の規定の趣旨に反せず同条例5条6項の規定により市長に付与された裁量権の範囲を逸脱するものではないとされた事例

4(大阪地裁平18.7.7判決)
1 住民監査請求を受けた監査委員について地方自治法199条の2の除斥事由が存することを理由に当該監査請求が不受理とされた場合における住民訴訟の出訴期間
2 条例で非常勤の監査委員に対する報酬を月額支給と定めた場合において監査委員の職務の遂行の実績が全くない月が存したとしてもこれを理由に当該月について直ちに条例により定められた月額報酬を支給しないものとしたりこれを減額支給したりすることはできないとされた事例
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◆労働裁判例
[個別的労働関係]
1(名古屋簡裁平18.12.13判決)
退職当時の退職年金規定に規定の改廃権が留保されており,それに基づく改廃の内容が合理的なものであるときは,退職年金を受給している退職者にも改廃の効果が及び,有期年金を打ち切って一括支給したことを適法とした事例

[集団的労働関係]
2(東京地裁平19.3.16判決)
1 いわゆる一般労働組合である原告組合が,航空会社である被告会社に対し,整備士の組合員が雇止めを通告されたこと等に関して団体交渉を申し入れたにもかかわらず,被告会社がこれに応じなかったことが原告組合の団結権,団体交渉権を侵害する不法行為に当たるとして損害賠償請求が認められた事例(甲事件)
2 原告組合が被告会社による上記雇止め及び団交拒否等を批判してその本社前で行ったビラ配布等の宣伝行動等について,被告会社の信用等を毀損する行為であるが,労働組合の活動として相当性が認められるとして,不法行為責任が否定された事例(乙事件)
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◆民・商事裁判例
[民  法]
1(福岡高裁平19.1.25判決)
1 本件事故は,控訴人が主張するような態様ではなかったのであるから,被控訴人は控訴人主張の不法行為責任(使用者責任)を負わない
2 被控訴人の履行補助者である介護職員を含め被控訴人老人ホームの職員に注意義務違反があったとまでいうことはできないので,被控訴人に,控訴人主張に係る安全配慮義務違反を認めることはできないから,被控訴人は債務不履行責任を負うものではない

2(東京地裁平18.9.14判決)
1 墓地を建設した宗教法人と周辺住民との間で成立した裁判上の和解につき,宗教法人の債務不履行による損害賠償義務が認められた事例
2 周辺住民の設置した看板が,宗教法人に対する名誉毀損に当たらないとされた事例

3(福岡高裁平19.3.23判決)
女性事務員が男性経営者からセクハラ行為をされたこと等を理由とする損害賠償請求につき,女性事務員が作成した日記的なノートの記載や供述等の信用性が高いとは言えないとして請求が棄却された事例

4(新潟地裁新発田支部平19.2.27判決)
1 集落構成員らの構成員らに対するごみ収集箱や集落内の施設の使用を禁止する行為,村の広報紙等を配布しない行為等について,人格権を侵害するものとして差止め及び慰謝料請求が認容された事例
2 民事訴訟における準備書面の記載,本人尋問における供述等について,訴訟において許容される範囲内にあるとして不法行為は成立しないとされた事例

5(東京地裁平19.1.24判決)
民事再生手続の申立代理人弁護士が,再生債務者から営業譲渡を受ける予定で設立された会社に対し説明義務違反等の責任を負わないとされた事例

6(東京地裁平19.1.17判決)
民主党所属の国会議員である原告が郵政民営化法案の衆議院通過直後に同法案賛成派議員と同法案通過の打ち上げに参加していた旨などを摘示した週刊誌の記事につき,原告の社会的評価を低下させるものと認定し,真実性・相当性の抗弁が成立せず,重要な前提事実を記載しないまま評価的な記載をしている点で公正な言論活動と評価し難いとして,慰謝料500万円の支払と全国紙上への謝罪広告の掲載を命じた事例

7(名古屋地裁平18.9.29判決)
職場内での暴行事件の被害者についてPTSDを否定し,妄想性障害を認定した事例

8(富山地裁平19.1.19判決)
親不知の抜歯を行った歯科医師が,下顎骨を骨折させたとし,無理な外力を加えて抜歯をした過失があるとして,その不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例

9(山口地裁岩国支部平19.1.12判決)
末期癌で死亡した患者に対して「磁石診断」「貼薬治療」等を行った医師に,不法行為及び診療契約上の債務不履行があったとして,その損害賠償責任が認められた事例

[商  法]
10(福岡高裁平19.2.22判決)
1 取立委任裏書の裏書人と被裏書人間において後刻当該手形につき譲渡担保契約が締結され,それに伴って取立委任文言が抹消された場合に,同契約の締結経緯に照らし,同裏書の当事者間においては,手形債権は同契約の時点で譲渡担保として裏書人に移転したものというべきであるとされた事例
2 上記契約締結からそれに伴う取立委任文言の抹消行為までの間に当該裏書人につき民事再生法に基づく保全命令・監督命令が発令された場合において,被裏書人が当該手形金を取り立ててこれを被担保債権の弁済に充当したとしても,それが裏書人に対する関係で不当利得に当たるとはいえないとされた事例

[知的財産]
11(東京地裁平18.10.26判決)
「金色の六角形の中に『一枚甲』という文字を縦書きした」シール(被告標章)を三味線バチの才尻に貼付して三味線バチを販売する行為が,「バチ」を指定商品とする「一枚甲」なる原告の商標権を侵害するとしてなされた損害賠償請求について,被告標章の使用には,商標法26条1項2号により,原告の商標権の効力が及ばないとして,原告の請求を棄却した事例

[民事訴訟法]
12(福岡高裁平18.12.28決定)
文書提出命令の必要性の要件について判断した事例

13(水戸地裁平18.10.24判決)
当事者間に不起訴の合意があったとして,訴えが却下された事例
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◆刑事裁判例
[刑  法]
1(名古屋高裁平19.2.16判決)
1 被告人が被害者に自動車を衝突させ,転倒させて動きを止めた上,刃物で刺し殺すとの計画を立てていた場合につき,自動車を被害者に衝突させた時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例
2 被害者に自動車を衝突させて傷害を負わせた後,刃物で刺すことを断念した被告人に殺人の中止未遂が成立するとされた事例
3 事実誤認を理由とする検察官の控訴を容れ,被告人を懲役2年10月の実刑に処した原判決を破棄して自判するに当たり,執行猶予付きの懲役刑を言い渡した事例

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