書籍詳細

『量刑実務大系 第3巻 一般情状等に関する諸問題』

『量刑実務大系 第3巻 一般情状等に関する諸問題』

大阪刑事実務研究会 編著

前科,前歴等と量刑〔難波宏〕 第1 はじめに 第2 前科,前歴等の意義 1 前科の意義/2 前科は独立の量刑要素か/3 前科として考慮される事実の範囲/4…

4400円(税別)

目次

『量刑実務大系 第3巻 一般情状等に関する諸問題』

前科,前歴等と量刑〔難波宏〕
第1 はじめに
第2 前科,前歴等の意義
1 前科の意義/2 前科は独立の量刑要素か/3 前科として考慮される事実の範囲/4 前科を確定裁判とする意味/5 併合罪と累犯の関係/6 前歴の意義
第3 加重の根拠
1 累犯加重の根拠/2 前科による加重の根拠ー累犯加重根拠と前科加重根拠との関係
第4 加重の程度
1 累犯加重(刑法56条)の場合/2 常習累犯窃盗の場合/3 罪種による違い/4 再犯の時期による違い/5 前歴の影響
第5 前科,前歴の認定
第6 おわりにー行刑の実情
コメント〔高山佳奈子〕

被告人の属性と量刑〔米山正明〕
第1 被告人の属性は量刑上どのような意味を持つかー総論1
1 被告人の属性の位置付け/2 属性の意義と性質/3 属性と量刑因子との関係/4 属性に関する量刑理論上の問題
第2 被告人の属性についての審理ー総論2
1 個別情状事実の審理の在り方/2 具体的な立証方法
第3 被告人の年齢
1 少年,若年/2 高齢
第4 被告人の性別
1 被告人が女性であることの量刑への影響/2 女性犯罪の特色/3 女性の量刑差の原因/4 女性犯罪の変化など/5 結論
第5 被告人の職業,社会的地位
1 学説/2 検討/3 裁判例ー量刑事情のうち被告人の地位,職業に関する判示部分
第6 被告人の暴力団所属
1 被告人が暴力団員であることの量刑への影響/2 立証上の問題点
第7 被告人の国籍
1 被告人の人種・国籍と量刑上の問題/2 幾つかの具体的な問題/3 今後の強制退去や過去の強制退去歴が量刑に及ぼす影響
第8 被告人の労働の習慣・意欲
第9 被告人の家庭環境
第10 被告人の経済状態等
第11 被告人の健康状態・嗜癖
1 健康状態/2 薬物嗜癖
第12 被告人の生育環境
1 被告人の生育歴等の量刑への影響/2 最高裁判決の考察/3 立証上の問題
第13 被告人の負因ー身体的知的障害等
1 被告人の負因の量刑への影響/2 処遇方法の選択と立証の問題/3 裁判例
第14 被告人の性格
1 性格の量刑における位置付け/2 実務の現状/3 問題となる性格の具体例/4 評価の方向に関する問題/5 裁判例
第15 情状鑑定
1 判決前調査制度(presentence investigation)の導入論/2 情状鑑定
第16 終わりに
コメント〔安田拓人〕

被告人の反省態度等と量刑〔川合昌幸〕
第1 はじめに
第2 量刑における犯行後の態度
1 犯行後の態度に関係する法令/2 裁判実務における犯行後の態度の取扱い
第3 量刑理論における犯行後の態度の位置づけ
1 学説の概観/2 私見
第4 犯行後の態度各論
1 被害弁償・示談/2 自白・否認・黙秘・法廷での態度/3 自首/4 罪証隠滅工作/5 犯行後の善行
第5 最後に
コメント〔松田岳士〕

被告人が自己の犯罪により自ら多大の不利益を被ったことと量刑〔畑山靖〕
第1 はじめに
第2 具体例とその分類・整理
第3 ドイツ刑法60条について
第4 被告人の不利益が有利な事情として考慮される根拠
1 問題の所在/2 学説等の状況/3 検討
第5 被告人の不利益が量刑に及ぼす影響の程度ないしその限界
第6 被告人の不利益について量刑理由中で言及する意味
第7 具体的事例と当てはめ
1 事例紹介/2 分析と当てはめ
第8 まとめ
コメント〔堀江慎司〕

社会的制裁・行政処分と量刑〔西崎健児〕
第1 はじめに
第2 総論ー社会的制裁の位置付け
1 学 説/2 被告人に有利な事情の1つとされる理論的根拠の検討/3 量刑への影響を考える上での基本的な視点と留意事項の試論
第3 行政処分が量刑に及ぼす影響
1 総論/2 租税事件について/3 交通事件について
第4 懲戒解雇が量刑に及ぼす影響
1 懲戒解雇による不利益/2 懲戒解雇の趣旨/3 影響の程度/4 社会的制裁以外の観点からの考慮
第5 報道が社会的制裁として量刑に及ぼす影響
1 報道による不利益/2 報道による抑止効果について/3 報道の趣旨/4 影響の程度
第6 公務員の失職を回避するために量刑を配慮することについて
1 公務員の失職による不利益と量刑上の問題点/2 裁判例,学説/3 失職の趣旨/4 公務員の失職による不利益を特別視することについて/5 影響の程度
第7 免許取消等の行政処分を回避するために量刑を配慮することについて
1 刑事裁判の宣告刑を基準とする免許取消等の行政処分による不利益と量刑上の問題点/2 裁判例/3 刑事裁判の宣告刑を基準とする免許取消等の行政処分の趣旨/4 影響の程度
第8 結びに代えて
コメント〔宇藤崇〕

違法捜査等と量刑〔小倉哲浩〕
第1 はじめに
第2 裁判例
1 裁判例の紹介/2 各裁判例の分析
第3 手続の違法が量刑に与える影響に関する諸見解
1 各見解の内容/2 各見解に対する批判
第4 検討及び私見
第5 派生する種々の問題について
第6 裁判員制度における留意事項
コメント〔宇藤崇〕

刑事訴追に必然的に伴う負担と量刑〔和田真〕
第1 はじめに
第2 問題の所在
1 身柄拘束に伴う不利益について/2 被告人の立場に置かれること自体に伴う不利益について
第3 刑事訴追に伴う不利益の実務上の扱いと学説上の位置づけについて
1 実務上の扱い/2 学説について
第4 各問題点の検討
1 身柄拘束に伴う不利益について/2 その余の訴追に伴う負担
第5 まとめ
1 身柄拘束に伴う不利益の問題について/2 被告人の地位に置かれることに伴う不利益の問題について
コメント〔松田岳士〕

被告人の真実解明への積極的協力と量刑〔長瀬敬昭〕
第1 はじめに
第2 外国法制について
1 量刑事情としての「犯罪後の態度」に関する外国立法例について/2 アメリカ合衆国連邦量刑ガイドラインにおける被告人の真実解明への積極的協力の取扱いについて/3 ヨーロッパ諸国における王冠証人制度について
第3 真実解明への積極的協力と量刑
1 基本的視点/2 裁判例
第4 司法取引的な要素を量刑に反映させることの可否について
1 司法取引/2 取引的捜査手法に対する批判及びそれに対する反論/3 裁判例/4 司法取引的な要素を量刑に反映させることの可否について
第5 最後に
コメント〔堀江慎司〕

犯罪後の時の経過と量刑〔丸田顕〕
第1 はじめに
1 本稿のテーマ/2 検討の視点
第2 時の経過それ自体と量刑ー公訴時効との関係
1 裁判例/2 学説/3 検討
第3 時の経過がもたらす量刑事情
1 序論/2 犯罪の社会的影響の微弱化/3 時の経過が被告人自身にもたらす諸事

第4 結語
コメント〔安田拓人〕