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判例タイムズ 臨時増刊1277号 (2008年11月10日発売)

判例タイムズ 臨時増刊1277号 (2008年11月10日発売)

判例タイムズ社

記事紹介◆小泉総理大臣の靖国神社参拝訴訟に関する判決の 「判決理由の構成」に対する民事訴訟法上の疑問/木川統一郎◆文書提出義務をめぐる判例法理の形成と展開/伊藤…

2,057円(税込)

目次

判例タイムズ 臨時増刊1277号 (2008年11月10日発売)

記事紹介

◆小泉総理大臣の靖国神社参拝訴訟に関する判決の
「判決理由の構成」に対する民事訴訟法上の疑問/木川統一郎

◆文書提出義務をめぐる判例法理の形成と展開/伊藤 眞

◆逮捕・勾留・起訴をめぐる国家賠償事件の検討/村重慶一

判例紹介

特 報
[刑 法]
1(東京地裁平20.2.29判決)
インターネットを用いた名誉毀損行為は,摘示された事実が公共の利害に関する事実に係るもので,主として公益を図る目的でなされたものである場合,発信者がインターネットの個人利用者として要求される水準を満たす調査を行った上,摘示した事実が真実であると誤信して発信したと認められるときには,被害者がインターネットを利用できる環境と能力があり,かつ,被害者に反論を要求しても不当とはいえない状況がある限り,発信者に名誉毀損の罪責を問うことはできない

行政裁判例
[行政法一般]
1(東京地裁平20.4.17判決)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律8条1項の「厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行なわれる場合には,……その事業を一の事業とみなし,元請負人のみを当該事業の事業主とする。」の解釈適用の誤りを理由として,労働保険料の認定決定処分が取り消された事例

2(東京高裁平19.11.5判決)
出生届が不受理となった場合において職権で住民票を作成する義務はないとして当該子の住民票の記載をしない旨の処分の取消請求を棄却し,住民票作成の義務付けの訴えを却下した事例

3(東京地裁平19.10.19判決)
1 確定給付企業年金の規約変更の要件について定める確定給付企業年金法施行規則5条2号及び3号の規定が,確定給付企業年金法5条1項5号,同法施行令4条2号による委任の趣旨に反するものではなく,無効とはいえないとした事例
2 確定給付企業年金の規約変更の申請が,確定給付企業年金法施行令4条2号,規則5条ただし書,規則6条1項2号の「給付の額を減額する」場合に該当するとされた事例
3 確定給付企業年金の規約変更の申請が,規約の変更が「給付の額を減額する」ことを内容とする場合に必要な規則5条2号の要件を満たさないとされた事例
4 確定給付企業年金の規約変更の申請が,規約の変更が「給付の額を減額する」ことを内容とする場合に必要な規則5条3号の要件を満たさないとされた事例

[行政争訟法]
4(東京高裁平19.5.31判決)
1 退職年金を受給していた元地方公務員の夫とその退職前から既に14年間にわたって別居していた妻が夫の失踪宣告による擬制死亡後に地方公務員共済組合に対してした遺族共済年金の決定請求を棄却する旨の処分を受けた場合において,当該妻は地方公務員等共済組合法にいう「遺族」に該当するとして,当該処分の取消しを求めたその妻の請求が認容された事例
2 退職年金を受給していた夫の失踪宣告による擬制死亡後に共済組合に対して遺族共済年金の決定請求をした妻が当該組合の職員の行政手続法に違反する行為が不法行為を構成するとして当該組合に対して慰謝料の支払を求めた国家賠償請求が認容された事例

[国家補償法]
5(東京地裁平19.11.27判決)
保育ママの保育児童に対する虐待について,東京都世田谷区の国家賠償責任が認められた事例

[租税法]
6(大阪地裁平20.2.15判決)
1 親会社である外国法人からいわゆるストックアワード(当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)を付与された当該外国法人の子会社である日本法人の従業員に対し当該ストックアワードの「ves 」時に当該株式の時価相当額の経済的利益を取得し当該経済的利益は給与所得に該当するとしてされた所得税の更正処分が適法とされた事例
2 納税者が所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたいわゆるストックアワード(当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)に係る株式の売却代金等を給与所得ないし一時所得として申告したことにつき国税通則法65条4項にいう「正当な理由」がないとされた事例

7(東京地裁平19.9.14判決)
1 所得税法2条1項3号の「住所」とは,各人の生活の本拠をいい,生活の本拠がいずれの土地にあると認めるべきかは,住居,職業,生計を一にする配偶者その他の親族の居所及び資産の所在等の客観的な事実に基づき判定するのが相当であるとされた事例
2 株式の譲渡所得があるとしてされた所得税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分が,被処分者は譲渡日に日本に住所を有していなかったので納税義務を負わないとして取り消された事例

8(東京地裁平19.8.23判決)
政令に定める会社分割によって自益信託の委託者兼受益者の地位を承継した会社が,受託者から信託財産の移転を受けた場合は,不動産取得税の非課税に関する平成19年3月30日改正前の地方税法73条の7第4号に該当するとされた事例

[地方自治法]
9(名古屋高裁金沢支部平20.2.20判決)
1 県が,特定の期間のすべての県職員の旅費の支出について1件ごとに調査を行い,公務出張の事実がないのにされた旅費(以下「架空の旅費」という)の支出を事務処理上不適切な支出として,その合計額を公表したという事実関係の下において,上記調査において事務処理上不適切な支出とされたものが違法な公金の支出であるとして,その支出負担行為及び支出命令につき本来的な権限を有する県知事に対して,受任者又は専決者に対する指揮監督上の義務違反を理由に損害賠償を求める住民訴訟の請求は,個々の旅費の支出ごとに日時,支出金額,支出先,支出目的等が特定されていなくても,その対象の特定に欠けるところはない
2 県知事は,旅費に係る支出負担行為及び支出命令に関する事務を補助職員に委任又は専決させていたところ,架空の旅費に係る支出負担行為又は支出命令が行われた場合において,同県では,㈰市民オンブズマンから職員の出張につき質問書の送付があったのみでカラ出張の具体的な指摘がなく,㈪これまで食料費等の支出が違法であるとの監査請求が理由がないものとされており,㈫自治事務次官からなされた旅費,食料費等に関する通知も一般的な助言,勧告の性質を持つにすぎないものであり,㈬総務部長が,知事の命を受けて,旅費等の適正な予算の執行に務めるよう通知しているなどの事実関係の下では,受任者又は専決者が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務の懈怠は認められないから,架空の旅費支出により県が被った損害について賠償義務を負わない

10(福岡地裁平19.3.1判決)
1 市長による資源循環型社会形成事業に対する公金支出の差止めを求める訴えにつき,既に支出した部分及び相当程度の確実性をもって予測されない将来部分に係る訴えが不適法とされた事例
2 市長による資源循環型社会形成事業に対する公金支出の差止めを求める訴えにつき,同事業に公共性及び公益性があるとして請求が棄却された事例

11(東京地裁平18.11.24判決)
1 公社発注の土木工事について実施された指名競争入札において,指名業者らの間で談合が行われた結果,市が損害を被ったと認められた事例
2 談合が行われて発生した市の損害について,民訴法248条に基づき,工事請負契約における契約金額の5パーセントに相当する金額が損害と認定された事例
3 公社発注の土木工事について実施された指名競争入札において,指名業者らの間で談合が行われた結果,市が損害を被ったとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,市に代位して,工事請負契約の相手方業者に対してされた不法行為に基づく損害賠償請求につき,上記談合に関連する課徴金納付命令に係る審判請求に対する公正取引委員会の審決が確定する前の時期であっても,認められるとされた事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(長野地裁平19.12.4判決)
トラック運転手の腰痛の発症,腰椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄の後遺障害の残存について,使用者に安全配慮義務違反があったとして損害賠償責任が認められた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平19.7.25判決)
更新の予定されていたビル管理契約の更新打ち切りにつき,独占禁止法違反等を理由とする不法行為責任が否定された事例

2(福岡地裁平19.6.26判決)
入院中の高齢の患者がおにぎりを誤嚥して死亡した場合,看護師に看護上の過失があったとして,病院側の損害賠償責任が認められた事例

3(金沢地裁平18.3.24判決)
電気事業者である被告に対し,発電用原子炉施設に被告が設計に当たって想定した地震動を超える地震動が作用して安全保護設備が所期の機能を発揮できず,同施設から約700キロメートル以内に居住する原告ら全員が許容限度を超える放射線を被ばくする具体的危険があるとして,同施設の運転の差止めを命じた事例

4(那覇地裁平19.11.28判決)
自宅で意識を失い救急車で搬送された患者が,入院中に脳梗塞を発症して重篤な後遺障害が残った場合において,病院の医師に治療上の過失はなく,看護師にも看護上の過失はなかったとして,病院側の損害賠償責任が認められなかった事例

5(名古屋地裁平19.1.31判決)
頸部手術後の経過観察中に生じた反回神経麻痺に起因する呼吸困難に対する医師の対応に過失があるとして原告らの請求が一部認められた事例

6(高松高裁平18.6.16判決)
共同相続人間において相続財産である可分債権につき遺産分割の対象でないことの確認を求める訴えの適否

[知的財産]
7(東京地裁平18.12.26判決)
米国における部分継続出願を基礎としたパリ条約の優先権主張について,当該部分継続出願は,パリ条約4条の「最初の出願」に該当しないとして優先権主張を無効とし,その結果,当該部分継続出願の原出願に対応する日本出願の出願公開公報が,本件特許の出願前に頒布された刊行物に該当することとなり,本件特許は特許法29条1項3号違反の無効理由を有するとして,原告の請求を棄却した事例

[民事訴訟法]
8(東京高裁平19.9.26判決)
控訴人の代表者の経営する別会社の従業員が同代表者に対する個人的怨恨から第1審裁判所が控訴人に送達した訴状,期日呼出状等の書類を隠匿・廃棄したため控訴人において控訴期間を経過した後に第1審判決の送達された事実を知ったことを理由とする控訴の追完が認められなかった事例

[民事執行法]
9(横浜地裁川崎支部平20.2.26判決)
競売不動産の買受人は,留置権の被担保債権の支払義務まで負わないとして,留置権者の被担保債権の支払請求が棄却された事例




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